2012年3月23日金曜日

1962.1.26(金) 青春の寄り道・・・数学、音楽、、、

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渋谷の古本屋へ行ってみたが、碌な本がないので学校へ戻り、生協で "行列と行列式" と言うのを買った。 280円也。
(3/23 疲れたので休憩)
(3/24 続き)
Wistaria の態度は唯いじらしいの一語に尽きた。 何だかひどく可愛そうな気がして居たたまれなかった。
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そのまま叔父さんの所に電話し、兄の所へ寄って(留守)からお伺いした。 丁度プレイヤーをかけているところで、いろいろ聴かせていただいたが、叔代ちゃん達が日比谷公会堂で歌ったのを録音した盤があり、仲々素晴らしかった。 最後に叔父さんの思い出の曲である Unfinished Symphony を聞かせていただいてお暇した。

(注1) "行列と行列式" は、文科生にとって特に必要だったわけではないが、趣味で読んでいた"高等数学通論" に時々出てきて、良くわからないところがあったので、以前から必要を感じていた。 これが、後になって大石ゼミでのテキスト "線形数学と経済分析" の理解に役立ったり、更に富士通に入ってから、ORBSプロジェクトで待ち行列理論を応用する際、強力な武器になるとは、知る由もなかった。 今でも後ろの本棚に並んでいるが、何時何処で買ったのか忘れていた。 まさか、駒場生協で、Wistaria の手から受け取っていたとは! 彼女の態度云々は・・・この頃の私と彼女の間に、好意以上の感情が芽生えていたこと、そして2ヵ月後には恐らく永遠の別れが待っていることをお互いに覚悟していたからだろう。

(注2) 叔父さんというのは、二人兄弟だった父の弟で、昭和21年5月にラバウルから生還したその日のうちに7歳の私を自転車の荷台に乗せて、夕暮れ迫る東堤の澤に連れて行き、沢蟹捕りの楽しみを教えてくれた武叔父で、戦後はずっと錦糸町と押上をつなぐ大通りの中間、本所横川橋に住んでいた。 娘の叔代ちゃんが、小学校のコーラス部か何かのメンバーで日比谷公会堂でのコンクールに出場したのだろうが、詳しいことは覚えていない。
叔父の思い出の曲が未完成交響曲だったことは、我が家では周知の事実だったらしいが、すっかり忘れてしまった。 唯、母からかつて、「武さんは銀座のミルクホールに出入りし、社交ダンスに熱心だった・・」 と聴いた覚えがあるから、叔父には叔父なりのロマンスがあったのだろう。 未だ戦争の気配を身近に感じていなかった昭和初期の青春が想像される。

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